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書籍感想:「田宮模型の仕事」 

「田宮模型の仕事」 田宮俊作 著 文春文庫

田宮模型の仕事
田宮模型の仕事
posted with amazlet on 06.06.03
田宮 俊作
文藝春秋 (2000/05)
売り上げランキング: 23,313

日本人男性で、タミヤという模型メーカーを知らない人間は少ないだろう。大人ならばそれまでの人生でタミヤのプラモデルを一度は目にした事があるだろうし、若者ならば2度のミニ四駆ブームをリアルタイムで体験した人が多いのではなかろうか。
本書はその田宮模型の社長である田宮俊作氏自らの手による、田宮模型についての本である。
1997年に単行本が出版され、2000年に文春文庫に収められており、現在でも容易に入手する事ができる。
本書は俊作氏の幼少期の模型との関わりとタミヤの創業時代の話から始まっており、その後年代順に「田宮模型の仕事」が語られていく。2000年までの田宮模型の歩みがわかるようになっていると共に、会社と歩みを同じくしてきた俊作氏の自伝的な色彩も強い。タミヤは日本の模型メーカーの中でも中心的大手である訳で、読者は読み進めていくうちに俊作社長の視点を通してタミヤだけでなく日本のプラモデルの流れをも知る事となる。
私自身は2度のミニ四駆ブームを体験した人間であり(第一次ブームの時は対象年齢として、第二次の時はブームと技術進歩を観察する形で)、その事からタミヤに親近感があったので書店で本書を手にしたのだが、内容の面白さとタミヤの会社の歴史には驚かされた。
木製模型からプラモデルへの転換、画家の故小松崎茂氏の助け、金型の自社生産、博物館への取材、ホンダF1のキット化。そしてミニ四駆・・・、タミヤの歩みはまさに波乱万丈の連続ではないか。特に、小松崎茂氏の箱絵のパンサー戦車で危機を乗り切ったエピードには非常に感動した。正直NHKの「プロジェクトX」で取り上げられなかったのが不思議なぐらいだ。
私自身プラモデル製作を趣味としているが、その歴史や舞台裏についての知識は殆ど皆無であった為、本書は初めて知る事の連続だった。タミヤが世界的な企業であり、日本のプラモデルがそんなにも世界で受け入れられていたとは! 金型についての話を読めば、誰もが工業製品に対する見方を変える気がする。プラモデル以前の模型の主流であった木製模型についてもしっかり触れられており、何故プラモデルが現在では静岡の特産品になっているのかもわかる。模型メーカーの内幕について詳しく書かれた書籍はあまり無く、それだけに本書の意義は大きい。本書はタミヤだけでなく日本の模型について第一級の参考文献であると言える(ちなみに、「SDガンダム」についても第二次ミニ四駆ブームに関して少しだけ触れられている)。
最初に単行本として刊行された1997年はまだ第2次ミニ四駆ブームの最中であり、当然ミニ四駆についてもかなりのページが割かれている。ミニ四駆ブームは今では過去のものとなっている為、今読んでみると懐かしい気がすると共に、栄枯盛衰の早さを思い知らされた。もっとも、本書の終章で触れられているように、タミヤは必ずや新たなミニ四駆ブームを現出させ、二度ある事は三度ある実践してくれるだろう。
模型について書かれた本となると、専門用語などが多くて難しいのではないかと敬遠される向きもあるかもしれないが、その心配は全くの杞憂である。模型の専門的な部分も解りやすく解説されているので、あまり模型に詳しくない人が読んでも全く問題無い。文章は決して難しくなく、読み進むうちにぐいぐい引き込まれていった。著者の田宮俊作氏はかなり文学的な才能もあるのではないかとさえ思える。例えるなら戦闘機パイロットでかつ文学的才能も持ち合わせていた坂井三郎氏みたいなものか。
非常に面白い内容であり、模型についての本という事で子供も興味を持つ事間違い無いと思うのだが、惜しむらくは通常の文庫本である為に漢字にルビが振ってない事だ。フリガナさえ振ってあれば子供も楽しめる内容だと思うので、次は講談社の「青い鳥文庫」あたりにも収録されれば良いと思うのだけど、どうでしょう。
模型業界についての重要文献であり模型ファンには必携の書と断言できるが、それだけでなく非常に面白い本なので模型ファン以外の方にも強くお薦めしたい一冊である。
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[ 2006/06/07 22:06 ] 書籍 | トラックバック(0) |

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